
国土交通省は、令和10年(2028年)1月以降、運輸支局などの検査窓口の受付を「自動受付機」で行い、紙の保安基準適合証と紙の自賠責保険証明書の取扱いを原則として廃止する予定です。令和8年2月26日付で、日本自動車整備振興会連合会に周知と協力を依頼しました。指定工場は、それまでに電子保適証へ切り替える準備が要ります。
何が変わるか
電子保適証とは、指定工場が保安基準適合証を紙で渡す代わりに、依頼者の承諾を得て、適合証に書く事項を登録情報処理機関へ電磁的方法で提供する仕組みです(道路運送車両法第94条の5第2項)。提供した時点で、適合証を交付したものとみなされます。国土交通省は平成29年(2017年)11月17日の依頼で、継続検査では原則として電磁的方法で適合証を出すよう周知していました。令和8年2月26日の依頼(国自情第355号・国自整第247号)は、その先の期限を示したものです。有効期間が検査をした日から15日間である点は、紙でも電子でも同じです。
| 項目 | いま | 令和10年1月以降(予定) |
|---|---|---|
| 検査窓口の受付 | 窓口で書類を出す | 申請者が自分で「自動受付機」を使う |
| 保安基準適合証 | 紙でも電子でも出せる | 紙の取扱いは原則廃止。電子保適証を使う |
| 自賠責保険証明書 | 紙を提示する | 紙の取扱いは原則廃止。電子的に提示する |
| 紙の保適証の様式 | 整備振興会が作成、配布 | 作成、配布を行わないよう国が要請 |
依頼の文書には、電子保適証で扱えない場面が「要検討項目」として挙げられています。氏名や名称が40文字を超える場合、天災などでシステムが止まった場合などです。これらを令和10年以降どう扱うかは、文書の時点では決まっていません。
いつから
| 時期 | 内容 |
|---|---|
| 平成29年(2017年)11月17日 | 継続検査では原則として電磁的方法で保安基準適合証を出すよう周知(国自情報第164号・国自整第217号) |
| 令和8年(2026年)2月26日 | 紙の保安基準適合証と自賠責保険証明書の取扱い廃止について依頼(国自情第355号・国自整第247号) |
| 令和10年(2028年)1月以降 | 検査窓口の受付を自動受付機に。紙の取扱いを原則廃止の予定 |
令和10年1月という時期は、国の文書でも「予定」と書かれています。日付や例外の扱いは今後の通達で決まるため、所属する整備振興会と管轄の運輸支局の案内を確かめてください。
整備工場がやること
- 電子保適証の利用登録を確かめる自社が保適証サービス(電子保安基準適合証システム)に登録しているかを、所属する整備振興会に確かめます。
- 紙で出している場面を数える直近3か月の継続検査のうち、紙の適合証で出した件数と理由を書き出します。紙が残る理由が分かれば、直す順番が決まります。
- 自賠責の電子的な提示に備える国の依頼は、認証工場を含む特定整備事業者が自賠責保険証明書を電子的に提示できるよう、振興会に支援を求めています。取扱いの保険会社や代理店に手順を確かめます。
- 記録簿から適合証までをデータでつなぐ適合証は指定整備記録簿の内容をもとに作ります。車検証の情報を何度も打ち直している工程を減らします。
- 継続検査OSSも検討する電子保適証は継続検査OSS(車検の電子申請)の前提です。窓口へ行く回数を減らせるかを合わせて見ます。
- 自動車検査員と事務の手順を書き直す交付から申請までの15日の管理と、システムが止まったときの連絡先を、手順書に入れます。
整備システムでの対応
整備システム・整備ソフト DREAM POWER は、公式サイトで「電子保適システム(AIRAS)、電子申請システム(AINAS)と連動」していると案内しています。公式サイトのよくある質問には、電子保適、e-JIBAI、電子車検証連携について、APIを用いたデータ連携に対応しているとあります。申請書類システムでは、継続検査申請書、自動車重量税納付書、自動車検査票などを印刷できます(地域によって対応していない用紙があります)。連動の範囲と操作の流れは工場の体制で変わるため、資料とデモで確かめてください。
制度対応を、システムにまかせる
紙の保適証をやめる日が決まると、記録簿、適合証、申請の入力をつなぎ直す必要が出てきます。いまの車検1台の事務の流れを聞いたうえで、電子保適証への移り方をご案内します。
よくある質問
- 紙の保安基準適合証はいつまで使えますか。
- 国土交通省は、令和10年(2028年)1月以降、検査窓口での紙の取扱いを原則廃止する予定としています。確定した日付と例外の扱いは、今後の案内を確かめてください。
- 認証工場にも関係がありますか。
- 保安基準適合証を交付できるのは指定工場だけです。ただし検査窓口の受付が自動受付機になることと、自賠責保険証明書の電子的な提示は、持込検査を受ける認証工場にも関わります。
- 電子保適証の有効期間は紙と違いますか。
- 同じです。検査をした日から15日間です(指定自動車整備事業規則第9条第1項)。
- 電子保適証にできない車はどうなりますか。
- 氏名や名称が40文字を超える場合などが、国の文書で要検討項目に挙げられています。令和10年以降の扱いは文書の時点で決まっていないため、運輸支局に確かめてください。
くわしい解説
適合証と適合標章の違い、交付できる工場の条件は保安基準適合標章と保安基準適合証(保適証)の違いに、継続検査での使い方と手数料は保安基準適合証とは|電子保適証・有効期間15日にまとめています。
- 車検1台で作る書類と順番(指定工場・認証工場別)整備記録簿ガイド
- e-JIBAIとは|自賠責の電子化と車検窓口での扱いワンストップサービス.com
出典
- 国土交通省「運輸支局等の検査窓口における紙の保安基準適合証及び自動車損害賠償責任保険証明書の取扱いの廃止について(依頼)」令和8年2月26日 国自情第355号・国自整第247号(「令和8年度 整備主任者研修 法令研修 全国共通教材」159〜161ページに掲載):https://www.mlit.go.jp/jidosha/content/002008010.pdf
- 道路運送車両法(e-Gov法令検索):https://laws.e-gov.go.jp/law/326AC0000000185
- 指定自動車整備事業規則(e-Gov法令検索):https://laws.e-gov.go.jp/law/337M50000800049
- 日本カーネット公式サイト「OSS対応」:https://www.j-carnet.co.jp/system/%E7%94%B3%E8%AB%8B%E6%9B%B8%E9%A1%9E%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0/oss%E5%AF%BE%E5%BF%9C
- 日本カーネット公式サイト「申請書類システム」:https://www.j-carnet.co.jp/system/%E7%94%B3%E8%AB%8B%E6%9B%B8%E9%A1%9E%E3%82%B7%E3%82%B9%E3%83%86%E3%83%A0
- 日本カーネット公式サイト(よくある質問「外部サービスと連携できますか」):https://www.j-carnet.co.jp/